佐々木塾ブログ

gerotranscendence

 年末にテレビを見ていたら加山雄三氏がコンサート活動をやめるそうな。豪華客船でのコンサートが最後になるとのこと(その後紅白に出てそれがほんとの最後になった)。その際彼の口からは「感謝」「感謝」と何度もいい手を合わせる姿が印象に残った。

 それを見てふと思い出したのが戸叶医科大学の過去問題(2016年)に出てくるgerotranscendenceという単語訳注が出ていて「老年的超越」と訳すようだ。gero は老年transcendence超越、優越の意味なので老年的超越と訳すのは納得できる。少し訳してみる。

 老化―誰もそれを避けることができない。100歳を越える年齢の老人たちに対する最近の調査によって、85歳を越える老人たちは、体の機能が衰えて社会的つながりも希薄になるにもかかわらず、老化を受け入れ自分たちの内的な満足を実現することで、、幸福感を増すことができると分かった。「老年的超越」と呼ばれるこの取り組みはますます注目を集めつつある。

 「私は自然に生きたい。自然こそがあるべき道だ。私は何度も何度も、ものを覚えては忘れたものだが、今はさらにもっと物事を忘れやすくなったように思える。私は年を取りたくないが、それは全く自然の一部なのだ」と当時世界最高齢だったAさんの言葉である。

 また慶応のある教授は100歳を越える老人たち800人以上に対する調査を行って言った。「調査対象者の多くは感謝の気持ちを失わず、いつも前向きで、老化の過程を自然なものととして受け入れている。Aさんはそうした考えの典型だった」

 この現象―そこでは老人たちは全くの合理的、自己中心的な観点から解放され、自然とつながっていると感じ、ろうかをうけいれるようになるーはスウェーデンの社会学者によって、「老年的超越」と名付けられた。それは高齢者の幸福感につながるものだと慶応の教授は言った。

 さて加山雄三氏は85歳であるとのことだ、「老年的超越」の年齢に入っている。自分にはその年齢は先だがgerotranscendanceという単語が「ターゲット」「シス単」(受験生必携の単語帳)に現れるのもそう遠いことではない気がすると思いながらて加山氏の映像を見た。

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