佐々木塾ブログ

小論文実況中継(2)

(1) では課題文・問題・S君の第一回目の提出作文と講評の一部分を載せた。今回は講評の続きから書く。

◆具体と抽象
S君の文章は抽象ばかりで具体例がありません。「よりよく情報が深められない」とは、どんな状態ですか?具体的に身近な体験談んで書きましょう。そもそも「情報が深まる」とはどんな状態なのでしょうか?課題文の中で筆者が述べていることをそのままの表現で書いても点数にはつながりません。また、「実際に、相手に情報を伝えきれない対話をしてしまったことがある」と書いてある箇所ですが、具体的にはどのような経験があったかを書きましょう。「実際に」という接続語(副詞)は具体的な話が始まる合図なので具体的な話を入れましょう。

◆課題
上記を読んだうえでもう一度同じ問題をやってください。下の一問一答に答えてください。箇条書きでそれぞれ書き出してみることをおすすめします。その上で出来上がった材料をもとにもう一度考え直してみましょう。
・対話とは何ですか?会話とは何が違いますか?
・S君にとって理想的な対話とは?
・なぜそう思いますか?
・その対話を実現させるために気をつけなければならないことは何ですか?
・筆者が言う意見に賛成ですか?反対ですか?
・実際の友人との対話の中で心がけていることは何ですか?
以上の質問に答えを書けばたぶん400字を大幅に越えると思います。それを今度は400字に圧縮という二段階のアプローチをしてみてください。このときにかかる時間は気にしなくてもいいです。本番まではまだ時間がありますからまずは納得のいく作文を仕上げてください。

この講評を読んだ後S君から2回目の提出があった。

ぼくにとっての理想的な対話とは、話し手が知識・情報を言って、聞き手がそれに対しての質問や意見を言う。これをくり返すと、対話の中で新しい考えが生まれる事だと思う
 なぜなら、話し手が知識・情報を話さなければ、何も話せない・そして、聞き手がいても、ただ聞いているだけで、質問・意見がなければ、新しく考えられた事が出てこない。
 ぼくがこのまえに友だちとやった対話を振りかえってみると、自分にとっての理想的な対話に満たされていなかった。その時はぼくが聞き手で、相手が伝えている情報を聞いていた。しかし、その時に、対話をする気がなく質問も意見も考えずに終わってしまった。
 ぼくにとっての理想的な対話を実現させるには、おたがいが対話をしようという気持ちがあるということだ。そうすると、自然と、質問、意見、思いつきなどがでてくる。
 対話をするとき、適当に話すのではなく話題についてきちんと考えて、相手と情報を共有しあうのが大切だと考えた。

この講評は次項で行う。


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